ジュースが好きでした。その1

バンドをやっていると、お酒を飲む回数が多いんです。バンドをやりだした時はビールコップ一杯で真っ赤になってフラフラだったんですが、ある程度飲めるようになったんです。今ではライブの日なら、ビールの中瓶2本は飲めるようになりました。飲めるようにはなったんですが、無茶苦茶しんどいんです。飲んで本番に臨むと、ひどいときにはリフが飛びます。体質的に無理なんです。無理なのはだいぶん前から知ってました。でもビール注文してしまいます。どうしてか?周りがみんな飲んでるから。といった感じです。正直に言うと「やっぱり生はおいしい」とか言ったことあるんですが、実は生ビールと瓶ビールと缶ビールの違いがわかりません。もっと言うと、ビールと発泡酒の違いがわかりません。もちろん銘柄の区別もつきません。お酒の範囲をもっと広げると、赤ワインと白ワインもそうですし、茶色いお酒(ウィスキーとか?)とか。あともっと言うと「焼酎は飲めるけど、日本酒は無理」とか言ったことあるんですが、実はどっちがどっちなんだか、よくわからないんです。で、わかったことなんですけど、私にとって、お酒を飲むことは、ただの「背伸び」だったんだということです。うまくもないし、まずくもないんです。味がわからないから。で、すごくしんどくなる。
学生時代、文化人類学の先生が「うまい」という言葉は「あまい」という言葉から発展したらしいということを言ってたんです。「うまい」という言葉ができた当初は「甘いものがうまい」と考えられていたそうで、当時の日本人は、ただ単純に甘いものはうまいもの思っていたらしいんです。私、梅酒や、甘いもので割ってあるお酒は普通に「うまいな」と思うんです。でも結局はお酒なんで、たくさんは飲めない。甘い酒はうまいと思う。が、お酒に弱い。で、お酒本来のうまさがわからない。(飲み屋で)「カンパリって何のお酒ですか?にがいやつですよね?お酒弱いし、味もよくわからないんで・・・」「カンパリオレンジください。薄めでください。お酒弱いんで。」「薄くていいですよ。甘いやつで」(家の飲み会で)「ビールしかない?甘いのない?ほなジュースでいい・・・・・・・・・!!!」わかったんです。別にお酒じゃなくてジュースでいいことに。